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2016/09/19

ロ短調ミサ曲(4)~また脱線、ドイツ語キリエ

ドイツ・コラールは、会衆による説教。神のみことばを会衆が述べ伝えるもの。牧師の説教に対する応答、というのとはちょっと違うのか。また、「讃美歌」という日本語も必ずしも適切ではないかもしれない。

だからやたらと長いものが多い。10節を超えるようなものもある。バッハのカンタータではそのうちほんの数節しか使っていないが、全部ではカンタータ1曲分の歌詞に匹敵する量。

日本で讃美歌に取り入れられるときには、これまた抜粋か、かなり意訳して短縮している。

そんな具合だから、コラールの歌詞を読むととても勉強になる。

ということで、今日は、「Kyrie,Gott Vater in Ewigkeit」BWV371、いわゆるドイツ語キリエを読んでみた。クラヴィーア練習曲集第3巻のいわゆるオルガン・ミサでも使われたあのコラールだ。

http://www.lutheran-hymnal.com/german/tlh006g.htm

原曲はラテン語の「 Kyrie fons bonitatis」

ミサの「Kyrie eleison,Christe eleison,Kyrie eleison」はそれぞれ、父なる神、子であるイエス・キリスト、そして聖霊をあらわすといわれているが、このドイツ語キリエの歌詞を読むと、なるほどその通りになっている。また、Kyrieとeleison、Christeとeleisonの間に、父なる神、イエス・キリスト、聖霊について、それぞれ具体的に何を賛美し、何を嘆願しているのかが書いてある。これは、ルターのKyrieに対するイメージを知る上では、とても大事な資料だ。

他にも、「Erbarm dich mein.o Herre Gott」BWV305とか、

罪、罪の贖い、復活系では

BWV276、364、407

苦悩、救い系では

BWV322、383、

聖霊系では

BWV385

に「Kyrie eleison」または「Kyrie eleis」がついている。

ついでに、「O Lamm Gottes, unschuldig,」BWV401には、「Erbarm dich unser, o Jesu!」という歌詞がある。いうまでもなく、マタイ受難曲の冒頭合唱に出てくるコラールだ。そしてAgnus Deiのドイツ語訳でもある。これについては別の機会に。

こうやって分析すると、ルター派における「Kyrie eleison」によって祈る内容が見えてくるのではないか。また、これらの歌詞の中で、ロ短調ミサのKyrieにぴったりのものが見つかるかもしれない。

ちなみに、ロ短調ミサ曲の2回目のKyrie eleisonは聖霊に対するものだから、Fugaになっているのか?Cum Sancto Spirituも聖霊でFuga。聖霊によって信仰が世々続くものだから?

など、いろいろ素人の素朴な疑問がわいてくる。まだまだ分からないことだらけ・・・。

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