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2012/05/12

ヨハネに悩める6~第2、3曲イエスの逮捕

いよいよ聖書本文に入ります。まずは、イエスの逮捕の場面。マタイ受難曲は十字架の預言からはじまり最後の晩餐へと続き、そのあと第26曲にようやくイエスの逮捕の場面になる、ということから考えると、ヨハネ受難曲はいきなり逮捕ですから、それだけでもずいぶんコンパクトだなあと改めて思います。

第2曲、第4曲(Reci)の中には、3つの出来事があります。最初は、イエスが「Ich bins!」といったら後ずさりして倒れたこと。2番目は、「この者たちを行かせてやれ」と言って、結果、弟子たちのすべてが無事だったこと。この2つをルターは「奇跡」と呼んでいるようです。3番目はペテロが剣を抜いたのに対し、「剣を鞘に戻せ」と言ったこと、そして自らが父たる神から与えられた使命を「杯」に例えた場面。特に3番目は重要です。自分が十字架につけられるのは、父から与えられた使命であるが、ペテロが剣をふるうことに対して、神は何ら権限を与えていない。

これらの宗教的な意味はここでは触れませんが、聖書の言葉(Reci)自体は割合と淡々と語られ、コラールが重要な役割を果たしているような気がします。その中でも上記3つの場面の通奏低音は注目です。また、十字架につけられるのが使命であるという部分は2度繰り返して歌われていることは興味深いです。

マタイでは「活躍」するユダが、ヨハネではとても影が薄い。この場面しか出てこないですし、セリフもない。こんな違いも面白いです。

第3曲のコラールは、マタイでも第3曲、つまり最初に出てくる4声コラール。マタイは1節、ヨハネは7節なのですが、弾いていてまったく雰囲気、気分が違います。和声付けが違うからでしょうか。"Martelstrasse"とか歌詞の意味を和声でもあらわしています。(つづく)

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