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2009/05/14

LFJ2009を振り返る

GW中に行われたラ・フォル・ジュルネ。今年のテーマはバッハ。3日間東京国際フォーラムに通い詰めで、精根尽き果てて感想を書く元気もなく・・・。

寺神戸さんや有田さんも聴きたかったのだけど、早々とチケット売り切れで断念。「いつでも聞けるから今期は譲ってやるか」と負け惜しみを言いながら、他のコンサートに。90年代以降に台頭してきたドイツやイタリアの団体も聴こうかと思ったけど、3日間ではとても無理、ということでこれも断念。結局、相変わらず、オランダ、ベルギー系の団体、そしてBCJをひたすらはしごすることに。それも、宗教曲(ミサ、カンタータ、受難曲)ばかり。協奏曲、管弦楽組曲の類は、最後の1つを除いて一切なし。もちろん、モダン楽器は最初から考えず。

初日は、本来、夜の最終公演でリチェルカーレ・コンソートのヘンデル「メサイア」の予定が、不景気による財政難で公演中止。その代わり、LFJ出演者によるリレーコンサート。最初はモダン楽器で2曲の協奏曲。そのあと、二人のジャズプレーヤー(小曽根真、中川英二郎)によるバッハを素材としたジャズ演奏。これがすばらしい!バッハのオリジナルを弾いてもそんじょそこえらのモダン奏者よりはるかに上手くて、アーティキュレーションなども完璧。そして超絶技巧のノリノリジャズ。ガンバソナタをトロンボーンで演奏するなど信じられない。昔から、バッハはジャズの素材に向いているといわれますが、全くその通り。これは今回のLFJの隠れた目玉になった!

そのあと、フランスの某古楽団体が登場するも、なんだか物足りない。音楽性もアンサンブルのレベルも。古楽器でやるならもう少しやりようがあるだろうに。かなりがっかり。

そして、大トリは、自分的には今回の目玉であるリチェルカーレ・コンソートが登場。しかも、J.Christophバッハの宗教曲を演奏。VnはF.Fernandezという最高のメンバーで、いかにも彼ららしい渋くて味わいのある演奏を聴くことができて感激!メサイアの3時間よりもこの10分の方がはるかに満たされる気分になったような気がしました。翌日からの演奏に期待が持てます。

2日目は、そのリチェルカーレ・コンソートの「マニフィカト」「小ミサ」からスタート。どちらかというと、小ミサがすばらしかったです。合唱はソリスト編成。ソリストが合唱もかねています。それだけにすばらしいアンサンブル。オケのトップは、F.Fernandezではなく、ミト・デ・ラルコの2nd Vnソフィ・ジェント嬢。寺神戸さんの一押し若手ですが、ミト・デ・ラルコでは、大物に囲まれていささか遠慮がちだったのが、この日は生き生きと思い切りよくアンサンブルを引っ張っていました。

そのあとは、アンタイ兄弟のル・コンセール・フランセによるカンタータ。日本人若手が二人乗っていました。そして、先ほど、リチェルカーレ・コンソートにいたメンバーがここにも。姉妹団体のようなものですから、メンバーを使いまわしか。大きなホールでやや残念。

夕方は、再びリチェルカーレ・コンソートで、カンタータ4番、131番。今度はやや小さな編成。ガンバも入ってより渋いサウンドになっています。最近、CD化され私のお気に入りですが、これはすばらしかったです。涙が出るほどです。今回のベストコンサートといえましょう。

夜は、BCJのヨハネ第4稿。なんと前から2列目のやや右。Vnからまるみえで、ものすごく緊張しました。普段なら絶対に座らないのに、自動的にそこになってしまった。ソリストがいつもとはやや違う面子。ソプラノは当初別の人の予定が、急遽レイチェルに。またもやピンチヒッター。でも内心よかったとも。「代役」にしてはよすぎる。定期でも「代役」からいまやレギュラーだし、それにふさわしい歌を聞かせてくれる。安心できる。エヴァンゲリストは残念ながらゲルトには及ばず。そして、バスは、BCJでもおなじみのシュテファン・マクラウド。実は、リチェルカーレ・コンソートでも歌っているので、この日聴くのは三回目。その他、BCJのカンタータもあったので、1日4公演という酷使ぶり。しかもいずれも合唱パートも全部歌わされるし。正直、心配できがきではなかったです。器楽奏者の使いまわしもそこそこあるけど、これはあまりにも過酷ですね。でも、歌はすばらしかったです。

最終日は、リチェルカーレ・コンソートの室内楽から。ラインケン、ブクステフーデ、バッハ、ゴルドベルクの作品。Vnはフランソワ・フェルナンデス&ソフィ嬢、ガンバは、フィリップ・ピエルロ&上村かおりさんという黄金メンバー。特にラインケンとブクステフーデがすばらしかった。バッハのガンバソナタは、普通はVnソナタとして演奏される通奏低音付ソナタですが、あの曲をガンバで弾いてしまうとは驚きです。最後は、伝バッハ、実はゴルドベルクによるVn2本のトリオソナタ。若い頃によく弾いた曲なので、とてもなつかしく。こんなにフランソワのVnが聴けるなんて・・・。

そのあとはBCJのカンタータ78番、30番。狭くてあまりよくない会場の端の方に座ることになり、Vnのひじと右手の使い方を後ろから研究。30番は世俗カンタータのパロディ。

一度家に帰って練習したあと、夜再び国際フォーラムに。最後は、知人から譲り受けたスウェーデンのドロットニングホルム・バロック・アンサンブルを聴く。Vn協奏曲1番、Cem協奏曲1番など。この団体、昔からCDできいていて結構気になっていた団体。やっと生で聴くことができました。私的には「北欧のCMW」と呼んでいます。実際にアーノンクールの影響も受けていそうですし。ステージ上にメンバーが現れてびっくり。なんと、チェロの山廣みめさんがいるではないですか!北欧の方でやっているといううわさを聞いていましたが、まさかこことは。そして、全体的にゆるーい雰囲気。リチェルカーレ・コンソートとは正反対です。演奏も正反対。遊び心には満ちているのですが、イタリアあたりの一部の過激団体と違って、決して下品にはならないところが不思議。そして、何より、通奏低音がいい。雄弁だし。山廣さんも生き生きとアンサンブルをリードする存在になっていました。久々にVn協奏曲も聞いたし、最後に満足。

それはそうと、会場は、もともと会議、セミナー、研修用なので、音響は決してよくはなかった。にもかかわらず、リチェルカーレ・コンソートにしてもBCJにしても、音がものすごくきれいで、音響の悪さを感じさせなかったことに驚きました。ホールの響きのおかげできれいなのではなく、元々の音が、我々には到底真似できないような美しさだったのです。楽器の質もあるのかもしれませんが、それにしても、どうやればあんなにきれいな音が出るのでしょうか?

ということで、最後はくたくたでしたが、楽しく3日間を過ごすことができました。そして演奏する元気をもらいました。やはりバッハはすばらしい。もっとバッハを演奏したいと思いました。

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