G.Leonhardtまだまだ健在
5月上旬、F.ブリュッヘンをして「彼はバッハだ!」といわしめた、あのG.Leonhardtが来日。お得意のレパートリーを惜しげもなく披露した。
御歳81歳とは思えない凛々しい姿でステージに登場する様は、20年前もかわらず。まさに、「紳士」と呼ぶにふさわしい。
今回は、G.Frescobaldi、J.Froberger、A-L.Couperin、D.Scarlatti、G.ベームなど、若い頃から今日まで得意とし、また彼がこれまで世に知らしめてきた作曲家の名品を集めたもの。得意な作曲家で入っていないのが、L.Couperin。入ってはいたものの極めて控えめな扱いをされていたのがあのJ.S.Bach。
私は第一生命ホールで2公演、トッパンホールで1公演聴きましたが、中でも第1生命ホールでの2公演目がすばらしかった。
さすがに20年前のように、気合が入りすぎて床を「ドン」と踏みつけるようなことはなくなり、ギラギラしたものも全く影を潜めてしまいましたが、3日目のA.フォルクレの曲は、往年の気迫あふれる演奏を思い出させるような演奏でした。
G.Leonhardtは昔からいつも冷静沈着で物静かな紳士というイメージですが、音楽を聴いていると、かなり熱く激しく強い面を持っているように思えます。そうでなければ、数々の障害を乗り越えて古楽を今日の繁栄にまで導くことは到底できなかったでしょう。そして、あのタッチも生まれなかったでしょう。
今回、曲間で指をさするしぐさが何度も見られ、また、指が出ている手袋を左手にしているなど、体調は必ずしも万全ではなかったのでしょう。かなり心配ではあります。
果たしてもう一度来日することがあるのでしょうか。
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