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2008/09/01

高田あずみとアマチュア、ピリオド奏法への挑戦(3)~道具

演奏会まであと6日。最後の練習も終わりました。福沢宏さんがチェンバロの調律にわざわざいらっしゃるなど、いよいよ本番ムードがただよい盛り上がってきました。

MBAのメンバーは、基本的には、古楽器によるバロック音楽の演奏に魅せられた人達が多いようです。BCJなど古楽器の生演奏もよく聞きにいらしています。そういうこともあって、古楽器演奏を主義主張、イデオロギー的(作曲された当時の楽器で演奏すべき、といった)にはとらえていないように思えます。「べき」論ではなく、とにかくその魅力に取りつかれているのです、そして自分たちでもあのように演奏したいと思っている、そういう純粋な気持ちです。

そして、今自分が使える、よりよい結果が得られる道具を使って、できうる限りのことをやります。バロックボウを持っている人で、その方がよりよい表現できると思う人はバロックボウを使うし、持っていてもあえてモダンボウを使う人もいる。求められる表現方法は、古楽器で使っている方法論そのものなので、普通に考えればバロックボウの方が弾きやすいことは明らか。高田あずみさんも、バロックボウを持っているならそれを使ってもいいとおっしゃいます。メンバーも、どちらを使うのがいいか、色々試してみています。いくつかの選択の際の判断基準はありますが、大きく言えば、「バロックボウを使いこなすことができるか」「楽器を十分に鳴らすことができるか」の2点をクリアできていれば、バロックボウを選択、そうでなければモダンボウ、ということになりそうな感じです。バロックボウを使いこなすというのはそう簡単なことではありません。慣れれば弾きやすいですが、バランスをうまく取れずにばたついてしまうとか、力の加減が難しいとか、色々大変なことはあります。

さて、品質のいいモダン楽器と質の悪い古楽器、果たしてどちらを選ぶべきか。当然、前者の方が手に入りやすい。アマチュアはもちろん、プロですらいい古楽器の入手は大変です。もちろん、ガット弦を張った古楽器でなければ出せない味わいというのは、たとえ悪い楽器といえどもある程度はあります。しかし、正直悪い楽器ではまともな音楽はできません。ましてプロであればそうです。そういう意味では、もし今もっているモダン楽器が、お金さえ出せば今すぐ手に入れられる可能性がある古楽器よりも質が高いものであったなら、モダン楽器のほうがいい音楽、表現ができる可能性は大いにあります。

今回、高田あずみさんが弾くモダン楽器がどんな楽器なのかはわかりませんが、さすがに音の通りといい音色の多彩さといい、楽団員が使っている楽器とはまるで別世界のものです。ちょっとしたところでも本当に色々な表情をつけられます。しかもどの音も自然でのびのびしていてわざとらしさがありません。古楽器の響きとは別物ではありますが、とても魅力的です。アマチュアではたった一つの音ですら真似することができない領域です。この演奏を聴いたら、きっと、「古楽器かモダン楽器か」というある種のイデオロギー的論争に、一つの解を示すことになるのではないかと思います。

果たして本番ではどういう弓を使うのか、これも楽しみの一つです。

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