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2008/09/03

高田あずみとアマチュア、ピリオド奏法への挑戦(4)~実践あるのみ!

私は、いままで多くの古楽器奏者のお世話になってきましたが、今回ほど「実践」を徹底した練習を見たことがありません。とにかく、実際に弾いてみせて、そしてメンバーができるようになるまで徹底的にやります。言葉ではなく、音で説明します。イデオロギーも理論も演奏習慣も言葉の説明はほとんどありません。時々和声の説明があるくらいでしょうか。言葉での説明の大部分はボウイングテクニックに関する実践的な話です。どうしたら手本のように弾けるか。そして音程あわせも。時にはまるでパート練習か個人レッスンのようになってしまうことすらあります。練習回数も結構多いので、全パートが細かいところまで徹底的に鍛えられます。とにかく、実際に弾いてみせてくれるというのはアマチュアにとってはとてもありがたいことです。言葉で説明されても意味がわからないですし、具体的にどうすればいいかもわからないですし。特にVnは、ボウイングを目で見て学べるだけに効果はてきめんです。

そうはいっても、そう簡単にできるようになるわけではありません。今まで出したこともないような音を出し、表現をするわけですから、指や腕をどう使っていいのか、弓のどこを使えばいいのか、などわからないことだらけですし、頭で理解したとしてもすぐにからだが言うことを聞いてくれるわけではありません。それに、楽器の持っているポテンシャルが違いすぎます。テクニックだけではどうしようもない部分もあります。音の長さくらいはそろえることができても、表情、音色まではなかなか。

ということで、最低限、バロック音楽の命とも言うべきアーティキュレーションだけは、何とかそれらしくなってきました。それにビートでしょうか。しかし、ビートとはいっても、強さではなく長さで表現とか、色々細かい技術的な要求はあります。強拍はついつい力を入れて強い音で弾いてしまうのですが、そうではなく拍一杯まで長く弾くということのようです。

また、これはバロックかモダンかとは関係ないかもしれませんが、滑らかなボウイング、弓を返す時に音がブツぎれにならない、メッサ・ディ・ヴォーチェで音が減衰しても音が完全に切れて消えてしまってはならず、なめらかに次の音につながっていかなければならない。特に、次の小節のあたまの拍までタイでつながっている音などは、音が速く減衰しすぎてしかも弓を返す時に音が切れてしまうため、せっかくの効果、例えば不協和音とかがなくなってしまいます。バッハはそれが多いので、特に気を使います。

そして不均等、不均質な音。拍の表と裏を弾き分けることはもちろん、同じリズムが繰り返されれば毎回少しずつ弾き方が変わります。高田あずみさんが休みのときにかわりに面倒を見てくださった小田透さんは、「不平等社会はいいことだ」という表現で、この時代の演奏法について説明されていました。もちろん、へたくそで結果的に不均等不均質になるのではなく、コントロールされた音楽的な不均等、不均質さです。

このようにして考えていくと、当たり前のことではあるのですが、「ピリオド奏法」という特殊な奏法を勉強するというよりは、普通に音楽をする、音楽的な表現をするために必要とされるボウイングを鍛え、音程を合わせる、そういう地道なことの繰り返しであったような気がします。

果たしてその結果が皆さんにどのように評価されるかわかりませんが、ばらつきはあるものの、かなり意思統一されていますし、古楽器演奏のようなノリを味わっていただけるのではないかと思います。気分は「鈴木秀美」になりきっているチェリストとかもいますし。

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