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2007/09/26

トランペットのこだわり

今回の演奏会では、私の席からはなかなか見えなかったのですが、かなりの種類のナチュラルトランペットが使われたようです。スライドトランペットまで登場した。一つの楽器で演奏会の最初から最後まで通すヴァイオリン弾きにとっては想像を絶するこだわりようです。

金管楽器についてはさっぱりわからないAHですが、ナチュラルトランペットには音程を取るための穴(木管楽器のように)があいている楽器があるそうですね。コンサートでナチュラルトランペットを吹いている姿を見ると、確かに木管楽器のように孔を指で押さえているのを時折見かけます。しかし、こんな孔は当時存在していたのでしょうか?孔が開いていれば音階、旋律が吹きやすくなるというのは素人でもわかりますが、バッハの時代にそういうことが行われていなかったとしたら・・・。

ということで、わが団のトランペット奏者は果敢にも孔なし、つまり唇の変化等だけで吹いていたようです。トランペット奏者にとっては当たり前といえば当たり前ながら究極の技ともいえるこの技術。孔付に比べれば演奏のリスクははるかに高い。それでもあえてチャレンジする。

ある有名な古楽器系指揮者は、やはり孔なしにこだわりますが、トランペット奏者にはやりがいがある反面、大変なプレッシャーにもなっているのでは、と心配することがあります。聴衆はそれが孔付か孔なしか、孔なしだとどれだけ大変か、などということは全く意識していませんし、まして、古楽器のことをよく知らず、ピストン付トランペットしか知らない人にとっては、この原始的な楽器の不安定さは「性能の悪い楽器を下手な奏者が吹いている」という印象しか与えない。そういう中で、敢えてリスクを犯す。なぜそこまでこだわるのか。そして、残念ながら失敗した場合には演奏として、または音楽としての価値はないのか。失敗を補って余りある音楽的な魅力はあるのか。

あるべき理想の姿と聴衆の期待と現実の演奏とのギャップ。古楽器演奏には時として、そうしたリスクを背負います。それでも、我々は古楽器の魅力に取り付かれ、古楽器を演奏し続ける。我々がまだ知らない本当の魅力を捜し求めて・・・。

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