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2007/09/16

マエストロウケまくり~BCJ78回定期

今日は、BCJ第78回定期。バスとソプラノのソロ&デュエットカンタータシリーズ。

バスはペーター・コーイ、ソプラノはキャロリン・サンプソンというおなじみのメンバー。

曲目は、84,56,82,49番。いずれも合唱も鳴り物も入らない地味な曲ですが、内容的には実に盛りだくさんでした。

すべてご紹介したいのですが、特に印象に残った点を。

まず、84番。実はコラールが最後にあるのですが、これは各パート一人ずつにもかかわらず、まるでフル合唱のような豊かな響き。倍音が豊かなのか、ハーモニーが完璧なのか、声量が大きいのか、アンサンブルがうまいのか。。。たぶんそのすべてでしょう。本当に驚きました。

56番。ペーターは声の調子がイマイチのこともあったのですが、今日はいい状態が戻ってきたという感じがしました。オーボエのオブリガートも軽快で味わい深くよかったです。

そして後半は珍しいソプラノ版の82番。バス版のオブリガートがオーボエ属なのに対し、こちらはトラヴェルソ。調もホ短調。1st Vnの音がかなり高いので、それだけでも雰囲気がずいぶん違うのですね。歌詞からすればシメオン老人の歌なので、男性が歌うのが順当なのでしょうけど、女声が歌うと全く違う色合いになってそれはそれでとてもいい感じです。マリアの潔めの祝日のためのカンタータですが、シメオン老人の言葉を聴いたマリアもきっと死の際には同じことを思いながら死んでいったのではないか、と思えるような歌です。無論、そんなことは聖書のどこにも書いていませんが。。。バッハの妻、アンナ・マグダレーナが好んで歌ったとも言われますが、それもわかるような気がします。キャロリンの歌は、まさにマリアの歌でした。弦楽器は、各パート1本ずつでしたが、これがまた味わい深い。もちろん、通奏低音も。秀美さんが弾くWelt,gute Nacht!の下降音形など思わず涙がこぼれそうなほどでした。そして、この曲では、久々にマエストロが自らオルガン通奏低音を担当。これがまた親密なアンサンブルを演出していました。

最後は49番。いわゆる対話曲です。この曲がメインというのもいかにもBCJらしい。冒頭のシンフォニアは、チェンバロ協奏曲BWV1053終楽章の原曲で、オルガン協奏曲になっていますが、これもマエストロ自ら演奏。装飾の嵐で、周りにもウケまくっていました。特にソリストの2人にも大ウケ。私が一人でウケていると思ってふと顔を上げたら、キャロリンも笑っているではないですか。さらに驚いたことに、本番中には決して笑顔を見せないペーターまでがニヤニヤしていました。よほどウケたのでしょうね。これだから古楽はやめられない。実は一緒にアンサンブルやっている人にウケるというのは大事なことです。時々ウケ過ぎて笑って吹けなくなる管楽器奏者もいるようですが・・・。とにかく、マエストロ全開です。それにしてもこういう曲のオケがうまいですね。オルガンに耳が行きがちですが、バックも結構すごいんです。

この曲では、オーボエ・ダ・モーレとヴィオロンチェロピッコロのオブリガートという何とも珍しい組み合わせのアリアがあるのですが、今回もチェロピッコロはヴィオロン・チェロ・ダ・スパッラ。しかし、今回ほどこの楽器がふさわしいと思ったことはありませんでした。これを聴くと、なるほどこういう楽器の響きだとオーボエ・ダ・モーレとのバランスもいいし、掛け合いもよくわかるし、音色も親和性がある。ソロも悪くはないですが、アンサンブル楽器としてのこの楽器の可能性を感じました。

ソロ歌手2人のデュエットも見事。例によってバスはアリア、ソプラノはコラールですが、全然違うものを歌っていながら違和感がないというのは何とも不思議です。

合唱がないのはさびしい気もしないでもないですが、それを補って余りある見事なソリストのアンサンブルでした。

次は、10月のロ短調ミサ。明日あたりチケット買おうか。

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