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2007/08/23

Bach Magnificatに思ふ(1)

9月23日に、本当に数年ぶりでBachを演奏することになりました。BachのMagnificat BWV243aです。ということで、この曲への個人的な思いをしばらくつづってみたいと思います。

1.BWV243aとは

 普通演奏されるのは、ニ長調のBWV243。これに対して、今回演奏するのは変ホ長調のBWV243aという初期のバージョン。1723年、つまりライプツィッヒ1年目のクリスマスに演奏されたといわれている版です。この版は、フルートの代わりにリコーダーが使われていたり、クリスマス用の4つの挿入曲が加えられていたりという違いがあります。

 この版への評価は、従来必ずしも高いものではありませんでした。「粗削りな洗練されていない初期バージョン」といった評価が多かったような気がします。しかし、一方で、クリスマスらしいリコーダーの使用や、「粗削り」ではなく「大胆」な和声の使用などといったことをプラスと考える向きもあります。確かに、1723年といえば、カンタータを毎週量産していた年で、この年の自筆譜は相当急いで書いたと思われる節があり、下書きとまでは言わないものの、間違いを含んでいるまたは省略して書いてあるようなところもあるため、後のバージョンよりも雑、ということは当てはまるかもしれません。

 しかし、だからといって、この版を演奏する価値がないのかといえば、そういうことはないと思います。ヨハネ受難曲は第4版までありますが、第4版が最も優れているかというと、必ずしもそうは言い切れない。むしろ、第2版の方がよいのではないかという演奏家の方もいらっしゃいます。また、ロ短調ミサ曲や小ミサ曲、クリスマスオラトリオは、以前の教会カンタータや世俗カンタータからの転用が多く、とても洗練されているように思えますが、だからといってもとのカンタータを「粗削りだから」といって演奏する価値がないかといえば、そんなことはない。それと同じことがMagnificatにもいえるのではないか。確かに、実際に演奏してみると不自然といおうかいびつなところもあるのですが、ニ長調よりも魅力的なところもたくさんあります。たとえば、ニ長調でオーボエがコラール旋律、チェロが通奏低音のところを、変ホ長調ではトランペットがコラール旋律、チェロの代わりヴィオラ以上の弦楽器のユニゾンで通奏低音を弾いたり、といったところはとても魅力的です。

そして、「余計なもの」でもある挿入曲もとても魅力的です。

後にクリスマスカンタータBWV110に転用されたデュエットなどはすばらしいですね。もちろん、その前の合唱曲の美しさもなかなかいいです。

ということで、魅力にとんだBWV243aをお忘れなく!

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