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2007/02/07

ブリュッヘン、新日本フィル、Mozart

今日は、サントリーホールで再びブリュッヘン&新日本フィル。プロはMozartのフィガロ序曲、交響曲39,40番。40番といえば、18世紀オケが最初にレコーディングした曲。あれから22年ほどたって、果たしてどうなっているのか。

正直、この演奏をどう受け止めていいのか、どう言葉で表現したらいいのか、とても戸惑っています。今まで体験したことのない「興奮なき衝撃」。18世紀オケのCDをはじめて聞いたとき以来の戸惑いです。アーノンクールのような衝撃とはまさに対極。ひたすら静かに、そしてここぞという時に思い切り出るのではなく、思い切り沈みます。すかされっぱなしといえばよいのか。何せ、39番の最後にデクレッシェンドしてPで終わるんですよ!こんな演奏聴いたことがない。オケもとてもクールな印象。何か、まるで蒸留水のような純度の高い音色、響き。ガット弦のような子音といおうか音の出だしのちょっとした「雑音」も皆無。古楽オタクが好むようなアーティキュレーションの細かい芸もヴィブラートもすべて封印して、できるだけ均質な音で自然な流れを重視か。

古楽に慣れていない普通の聴衆にとっても、ピリオド奏法というだけでもしかしたら十分ショッキングなのかもしれませんが、そんな次元を遙かに越えたところでの衝撃です。時々強調したり粘ったりする音もアーノンクールのように極端にやるわけではなく、やるのだけどあまり目立ちすぎずにみたいな、とても高度な注文をオケに課す。そのあまりに微妙な感覚についていくのはなかなか難しいのではないでしょうか。棒を振るのはお世辞にもうまいとも思えませんし。

とにかく、異次元空間に迷い込んだみたいな感じがしました。私の理解を超えています。

と、そんなことしか今日は書けません。

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コメント

おはようございます。室内楽を聴いているような感覚になりました。徹底的に音を濁らせないというか、さらに強弱の付け方とか…室内楽ではなく、オケにこけまでやらせるとは…さすがですね!テンポはCDとそこまで変わらなかったと思いますが、40番の演奏を聴いて、ブリュッヘン、死が近いのか?と心配になりました。
多分まだ非公式な情報ですが、2年後に天地創造を振りに帰ってきてくれるそうです。

投稿: ハリー | 2007/02/08 07:52

ハリーさん

一晩たって、あらためて思い返しているところですが、まだ現実を受け止められないといおうか・・・。

室内楽的、とは思いつきませんでしたが、言われてみるとそうかもしれませんね。テンポは遅い曲は速く、速い曲は遅くなっていたような。気のせいかもしれませんが。「死が近いのかな?」は18世紀オケの最後の来日あたりからずっとそんな感じですし、今回はシューマンの日は若々しい音楽だったので、見た感じより案外元気なのかな、とも思ったもののものの、昨日はエラく枯れた演奏だったような気がして、改めて「やっぱりそうなのかな」というような印象を受けてしまいました。昔の巨匠の晩年のような円熟というのとはちょっと違うのです。まぁ、しかし、Mozartの40番と言うと、Mozartの死とどうしてもイメージがかぶってしまう(実際にはもう少し先ですが)ということもあるのですが。

天地創造、絶対に実現してほしいですね!

投稿: AH | 2007/02/08 09:16

39番ラストのディミヌエンドはリピートするぞ!という意思表示で、2回目はフォルテで終らせるかと思っていたのでびっくりしました。同じ3楽章のトリオが終わった後のパウゼの時にも死を感じました。
40番も以前の激しさはまったく無かったですし…。
あ、クラシックの扉のハイドンやベートーヴェンは元気でした。ロンドンの3楽章を録音とは違い、1小節1つ振りの急速テンポには驚きました。ちなみにアンコールはデモーニッシュなドン・ジョバンニ序曲でした。

投稿: ハリー | 2007/02/08 12:30

2/3、行きたかった・・・・。ベト1。ブリュッヘンのベト1が一番好き。18世紀オケを聞いたからまあいいか、と慰めては見るものの。

死にそうだったのは、やはり解釈なんでしょうか。

投稿: AH | 2007/02/08 22:24

3日のベト1は2002年より上でCDより下でした。まぁ、デビュー録音だし、結成間もないから異常なテンションなのは当然ですよね(笑)ちなみに12・12・10・8・6の編成で弦が強めでしたが、管楽器の処理に懐かしさを覚えました。なんとなく18世紀オケっぽかったんですよね。もしくはブリュッヘンのリコーダーみたいにうねるというか、表情豊かで。さすがに金管はおとなしめだったものの、バロックタイプのティンパニを要所要所で派手な強打をさせてメリハリ付けてました。こう考えるとブリュッヘンってかなり柔軟な思考の持ち主なんでしょうね。この演奏を聴いたから7日の演奏はかなりショックでした。感動というより、死を感じた淋しさ、まさか<ブリュッヘンが>こういう演奏をするとは想像がつかなかったので…。

投稿: ハリー | 2007/02/09 00:39

ううっ、ますます聴きたくなった。ベト1。

うねる管楽器ですか・・・。それにしても、18世紀オケと比べると管楽器が全体的におとなしめのバランスだった気が。特にフルートが、ヒュンテラーは目立ちすぎてましたから。それとも、モダンの管楽器だと思い切りだすと響きが崩れるからなのか。

投稿: AH | 2007/02/09 01:04

個人的にヒュンテラーの音は好きです♪
響きですか~。確かに管がおとなしかったですね。モダン楽器で弦が優勢なのは音の減衰の違いと関係あるんですかねぇ?

投稿: ハリー | 2007/02/09 07:04

ヒュンテラー、何であんなに音がでかくてよく通る音なんだ、と思いました。芸劇でもあんなによく聞こえるなんて。いつも走り気味で、うまいんだかうまくないんだかさっぱりわからないのですが、やはり只者ではない。あれがないとどうにも物足りなくなってしまって・・・・。

管が小さいのは弦の規模が大きいというのもあるのかもしれませんが、音の頭のアタックみたいなのの違いなのかもしれません。音量だけではないんでしょうね。

投稿: AH | 2007/02/12 10:50

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