« 謹賀新年とB&W805S | トップページ | スピーカー選定経過 »

2007/01/04

最近のオーディオと古楽

ついに、アンプとSACDプレーヤーも買ってしまいました。それも、スピーカーの値段からすると信じられないくらい安物。今までの常識を覆すような選定でした。とにかく、小さくて軽い。こんなものであのスピーカーが鳴らせるはずがない、こんなに軽くて低音が出るわけがない(アンプがわずか5Kg!最後まで候補だった別の機種はなんと30Kg。値段は3倍)、チューナー付アンプは本格的なオーディオとはいえない、など、古参のオーディオマニアやオーディオショップ店員からは否定的な意見が続出しそうな選定。そして、予算配分は10のうちスピーカー、アンプがそれぞれ4、残りの2がCDプレーヤー、というのが常識。それを6がスピーカーで、残りの2ずつがアンプとSACDプレーヤーというアンバランスさ。つまり、チューナー、アンプ、SACDプレーヤーを合わせてもスピーカーの2/3の値段にしかなりません。でも、実際に音を聞き比べて、コストパフォーマンスも考えて、これにしました。

そんな中で感じたのが、最近の音作りと古楽の関係です。もちろん、メーカーによって傾向は違いますし、LPレコード、真空管アンプや60年代、70年代の懐かしいサウンドが一部の間ではやっているという傾向はあるのですが、全体的には、古楽オケまたはヨーロッパ室内管弦楽団やマーラーチェンバーオーケストラのような音作り、音楽作りの傾向というのが、オーディオの世界にも少なからず影響を与えているのではないかと思われるのです。重厚感、迫力より、透明感、解像度、とりわけ倍音成分など高音の伸びを重視し、切れのよいスピード感のある音を聞かせてくれる。弦楽器のノンヴィブラート奏法や細かいアーティキュレーション、豊かな倍音、チェンバロの響きなど、音の立ち上がりが重要視される。特に、ピリオド奏法において重要なアーティキュレーションを際立たせる「子音」がはっきりと聞こえるというのは、特徴的かと思います。古楽器が今日ほど一般的になるまでは「雑音」とされた楽器の音が、逆に音楽の重要な要素と考えられ、それを忠実に再現することがオーディオに求められるようになってきた。そんな感じがします。

また、響きの面では、教会において古楽器が鳴ったときのような響き、広がり、というのが求められているのでは。ただ、残響が多いだけではなく、その中でも各声部の動きがはっきりと聞こえ、芯のある音というように思えます。誤解を恐れずに言えば、東京オペラシティタケミツメモリアルのような響きといったらよいでしょうか。あのホールは確かに残響は豊かですが、各声部の細かい動きまでもはっきり聞き分けられるような透明感、解像度の高さが感じられるホールです。なんとなく、私の選択も、オペラシティのような響きを求め、その結果、常識はずれの選択になってしまった、ともいえます。

1970年代より、古楽の録音というのは、規模が小さいこともあって、比較的先進的で、新しい技術・技法を積極的に取り入れ、常に優秀録音と呼ばれるようなものが数多く存在しています。CDの普及が古楽の普及に追い風になったという見方もありますし、SACDでもBISをはじめ、古楽の録音がとても多いと思います。つまり、新しい技術の恩恵を受けているともいえますし、レコーディングのプロにとっても機器メーカーにとっても、古楽器の響きというのは、とても興味をそそられる音源なのではないかと個人的には思います。

さて、有田さんや寺神戸さん、クイケン兄弟やLa Petite Bandeの録音で知られているDENON Aliareレーベルですが、最初はDVD-Audioでしたが、最近はSACDに鞍替えしていますね。DENONそのものが、ピュアオーディオとしてはDVD-Audio支持からSACD支持になったとも言われており、そういうところがソフトにも影響しているのでしょうか。BISはSACDですし、DHMもすべてではないもののSACD化しています。AccentもSACDですね。SACDの技術で、古楽器の響きがよりよく表現できるということなのでしょうか。

そういう意味で、今回の選定は、20世紀的大オーケストラより、古楽器を使った複雑な対位法の曲や室内楽を聞くのに適した選定になったといえるでしょう。

もちろん、20世紀的巨匠、大オーケストラを中心に聞かれる方々は、まったく違う見方をされているのかもしれませんが、古楽を聞く立場からのたわごとだと思ってお許しください。

とにかく、SACDで古楽器の演奏がどう聞こえるようになるのか、とても楽しみです。

|

« 謹賀新年とB&W805S | トップページ | スピーカー選定経過 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/32419/13326328

この記事へのトラックバック一覧です: 最近のオーディオと古楽:

« 謹賀新年とB&W805S | トップページ | スピーカー選定経過 »