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2006/11/05

アンサンブル・ヴィンサント

はしごの2つ目は、アンサンブル・ヴィンサント。三宮正満さん中心のアンサンブル。どうも、その時によって編成もメンバーも変わるらしい。モダン楽器のときもある。彼は、この世代の中心的な役割を果たしつつあるのかもしれない。

さて、この日は、古典派のオーボエ四重奏曲。Mozartの他、聞いたこともないような作曲家の作品。他に弦楽三重奏曲も演奏された。弦は、Vn(荒優さん)、Vla(渡部さん)、Vc(髪を切った山本さん)といった編成。

久々の近江楽堂で、演奏家の表情や息遣いまでよくわかる。

とにかく、久々に安心して聴ける、演奏家にわが身をゆだねられる演奏だったような気がする。荒優さんも最初は曲が曲だけにあまり乗れなかった感じだが、尻上がりにいつものノリが戻ってきた。でも、どんな時でも楽章や曲の合間にニコニコしているのはとてもいい。他の演奏者やお客さんの緊張を解きほぐしてくれる。愛すべきキャラといえよう。山本さんは髪を切ってすっきりしたのがよかったのか、かなり気合の入った思い切った演奏。オケの中の彼ばかり聞いていたせいもあるのだが、こんなに雄弁だとは思わなかった。渡部さんは、先輩格らしく、VnとVcの間で、アンサンブルを上手くまとめていた。彼女の演奏はずいぶん昔から繰り返し聴いてきているが、室内楽でのVlaというのは正直あまり聴いたことがなかったので、とても新鮮。

真打の三宮さん。オーボエ四重奏曲とは言っても、実際はオーボエが圧倒的に主役。ほとんど協奏曲のソリストのよう。今日使ったのはどういう楽器なのだろう?素人にはよくわからない。Mozartの超高音もちゃんと聞かせて、まずはよかった。

ただ、この編成に近江楽堂の響きの質(性格)は本当にふさわしかったのかどうか。弦楽器(特にVn)がやや引いた感じになっていて、オーボエが突出して、響きとしての一体感というのはあまり感じなかったような気がする。

来年1月には、ヘンデルやバッハの名曲が聞ける。藤崎美苗さんのソプラノにオーボエ、ファゴット、弦楽器、通奏低音という編成。これは楽しみだ。三宮さんの指揮者としての力量を存分に発揮してもらおう。それと荒優さんがBWV1052aを演奏するのも楽しみだ。これはかなり力感あふれる曲だが、果たしてどうなるか。注目だ。

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