Les Paladins
どうしようか迷っていましたが、思い切っていってしまいました。クリスティ指揮レザール・フロリサンのラモーのオペラバレー Les Paladins。私の嫌いなオーチャードホール(単にでかいから嫌いというだけですが)ということと、値段が一般的な外国オペラと同じくらい高いというのがためらっていた理由ですが、ラモーのオペラは好きだし、もうなるようになれ、という感じで当日券を買いました。B席2万5千円。天井桟敷もいいとこ。3階最後列の1列前という舞台から一番遠いところです。2列前は5000円高いA席。しかし、あそこまでステージから離れていたら2列くらいの差は関係ないので5000円の差はもったいない。C,D席は早々と売り切れだったはずなのですが、ここより安い席なんてありうるのでしょうか?というようなところ。そして、サイドバルコニーや3階は結構空席がありましたが、当日券で取扱われた形跡なし。もともとC,Dの設定はあったのだろうか?と思いたくなるような感じ。
それはともかく、結論としては、行って大正解。千秋楽ということもあり、出演者もノリノリ。カーテンコールでも客席以上に出演者が盛り上がっていて、オケメンバーがオーケストラボックスからバンバン写真を取り巻くって拍手して歓声をあげている、とそんな感じ。本当に最後はお祭り気分で楽しかったです。
演出は、当時のスタイル(いわゆるバロックダンス)というよりはモダンバレーまたは武富士ダンサーズの踊りのようなダンスと映像を駆使した現代的な演出。ショッキングだったのは、全裸の踊り子さんが何人か登場したこと。男女とも。そのくらい斬新な演出。それはそれで非常に面白かったけど、バロックダンスの音楽と踊りの組み合わせの面白さは残念ながらなし。やはり、バロックダンスでこの長時間を持たせるのは難しいのでしょうか。音楽はさすが。日本ではまだまだ機会が少ないですが、本場ではオペラ劇場に古楽器オケが登場することはもはや珍しくないといった感じで、かなりこなれていました。 お目当てのサンドリーヌ・ピオーが病気で来日できずというのはとても残念でしたが、代役のアンナ・バヨディ(Hanna Bayodi)は若々しく美しく、スタイルもよく、このストーリーにはピッタリでした。なにせ終始ショートパンツ姿なので、スタイルがよくないと。。。合唱だけでなく、ソロ歌手もかなり激しく踊っていましたが、さすがにプロの踊り子さんにはかなわないものの、結構上手いものですね。よくあれだけ動いてなおかつ歌えるものだな。
オペラグラスを使わないと男か女かもわからないほどでしたが、何とかオペラグラスの力を借りて見ました。3階はオーケストラピットを真上から見下ろせるような感じで丸見えなのは怪我の功名みたいなものです。
ところで、PAは使っていたのかな?あれだけ離れていてもなぜか音はよく聞こえたのだけど。。。使っていなければいいけど、もし使っていたとしたら、生演奏聞きに来てスピーカーの音を聞かされていたわけだから、温泉と名乗っていて実は水道水だった(温泉偽装問題)というのと同じようなものです。なんかそんなこと思ってしまうほど広く感じられて好きになれないオーチャードでありました。
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