寺神戸「四季」
今日は、北とぴあでの寺神戸さん指揮レ・ボレアードのVivaldi「四季」他を聴いてきました。
コメディが入ったこともあって、とても愉快なコンサートでした。お客さんも結構のっていました。
寺神戸さんは、少々お疲れのようにも見受けられ、必ずしも万全な調子ではなかったですが、コメディアンの演技や語りにのせられて、徐々に調子を上げてきたという感じがしました。楽器奏者って、どうも調子が上がらない時でも、歌手とか、踊りとか、演技とかに助けられて調子があがってくるということはよくあるのですが、今日はまさにそんな感じでした。演技や語りと楽器がアンサンブルしているんですね。
この日は、バロックの協奏曲としては類を見ないほどの大編成でした。VNがソロをいれて6人ずつ、Vlaが3人、VC2人、Cb2人。普通はVNが各3人くらいですから、いかに大きいかがわかります。バロックというと小編成というイメージがありますが、Corelliの合奏協奏曲でもHandelのオペラやオラトリオでも、意外と大編成で演奏されていたといわれています。確かにイタリアの巨大な教会や劇場で演奏することを考えれば、ある程度の規模は必要でしょう。ということで、とても厚みのある充実した響きを体験することができました。
この日は、ソロがメインは寺神戸さんで、合奏協奏曲では若松さんが2ndソロを弾いていましたが、今までこれだけ二人の息があったといおうか歩み寄りが見られたという記憶は余りありません。アーティキュレーションが合うのは当然としても、音色においても何だか歩み寄っているような気がしました。掛け合いのところなどは似たような感じの音を出していました。いつもはどちらかというと深めの音色のあの若松さんの音色がとても明るく華やかだった。
さて、その他に、クラリネットの前身であるシャリモーという楽器のための協奏曲が演奏されました。アルトとテナーの2本のシャリモーなのですが、ちょっと見た感じはリコーダーのようなのですけど、音域が全然低い、まさにクラリネットの音域です。ソプラノがテナーの声域で歌っているような不思議な感じでした。それにしても、異様なまでに小さな音。まるでクラヴィコードの音でも聞いているかのよう。ただ、本当はもっと大きな音が出るらしいのですが、どうも寺神戸さんの解釈として小さな音のダイナミックレンジの範囲内で演奏したということのようです。全く渋い世界です。
四季は、恐らく楽器だけであれば過剰演出とも思えなくもないところが、演技が入ることで、実に説得力があるといおうか、面白いものになっていました。ちょっとオペラっぽいといえなくもない。
例によって北とぴあらしく長いコンサートでしたが、とにかく、楽しかった。笑った。来年から音楽祭も様変わりだそうですが、Mozart生誕250年に果たして来年も楽しいコンサートはあるのでしょうか?
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
本日もお疲れ様でした。生シャリモー凄かったですね。リコーダーにリード付けた様な楽器なのにあの表現力は何だ?曲も良かったが(テレマン)演奏が絶品でしたね。
四季はちょっと・・・な点もありましたが、映像記録として発売されれば面白いかも。
投稿: 下町のばおりん弾き | 2005/12/05 02:15
まったくあのシャリモーは・・・。しかし、どんな楽器の曲でもテレマンはテレマン、というところは凄いですね。もう何年もテレマンを弾いてないな。
投稿: AH | 2005/12/06 00:12