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2005/02/28

古楽器挑戦1

ブリュッヘン&新日本フィルの演奏を聞いて、一般聴衆、特にアマチュアでVNをやっている人はどのような感想を持ったのでしょうか? 20年前なら「邪道」「間違った弾き方」「演奏家の個性」で片付けられ、自分自身がそうやろうな度ということは到底考えられなかったでありましょう。これは、音大の中でも同じです。

日本のアマオケの世界というのは、私のようなものから見ると非常に不思議な世界です。自分が弾くからということなのかもしれませんが、意外とCDや演奏会でプロの演奏を聞くことが少なく、世の中がどう変わってきているのかということには無頓着の人が少なくないように思えます。また、指導する指揮者にしても、特にバロックから古典派にかけてのレパートリーに関する動きをきちっと理解しているひとがどれだけいるのでしょう。そんな中で、1960年代のような古典派演奏がアマオケではまだまだ主流で、また、レパートリー的にも相変わらず前座扱いというところでしょうか。

ところが、ここ数年、モダンオケでありながら古楽器的な発想で演奏しているアマオケがいくつかあります。私の所属している国分寺チェンバーオーケストラもその一つですが、ここは正直、指揮者の坂本徹氏がたまたまそうだからそうなっているというところもなきにしもあらずのような感じがします。しかし、古楽器まで踏み込むとなるとなかなかむずかしい。特に弦楽器奏者がなかなか増えない。ですから、アマチュア古楽器オケというのは運営が非常に難しい。人集めで挫折してしまうのです。なぜそうなるのか。楽器が手に入らないと思っている、楽器を買うお金がない、誰に習ったらいいのかがわからない、などということもあるのかもしれませんが、そこまでやらなくても、モダン楽器で十分楽しめる、という人が多いというのが一番大きな理由ではないかと思います。しかし、もし、実際に古楽器の世界に踏み込んだならば、いかに自分が何も知らないままにモダン楽器で演奏することで満足してしまっていたか、ということを思い知らされます。なぜなら、楽器が多くの事を教えてくれるからです。たとえば、弓の圧力とか弦のたわみとか、そういうものの違いを感じながら、最もいい音を出そうと思うと、モダン楽器とは全く違うやり方になる。そして、演奏もがらっと変わってきてしまうのです。逆に、モダン楽器で弾く時には、今まで何気なくやっていたことをものすごく意識してやるようになります。

残念ながら、本当にいい楽器というのは触ったことがないので、高レベルでのモダンと古楽器の違いというのはよくわからないのですが、普及品レベルでもずいぶん違うものです。

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