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2004/12/08

5ユーロのシギス

実は、寺神戸さん指揮のイドメネオのあと10日ほどベルギーのブリュッセルに仕事で行ってきました。現地に滞在中、モネ劇場という有名な劇場の稽古場兼倉庫のような建物の一室、わずか100人弱の少人数でシギスヴァルト・クイケンのバッハ、オブリガートチェンバロつきヴァイオリンソナタ3曲を生で聞くことが出来ました。しかもたった5ユーロ(約700円)。シギスのバッハ ヴァイオリンソナタといえば、古くからの古楽ファン、とりわけヴァイオリン好きにはいわば「古典」ともいうべきレオンハルトとの共演のCDがあまりに有名。AHにとってもLP時代からの愛聴盤で、これを聞いてバロック・ヴァイオリンの魅力にはまり、ついに自ら弾くようになってしまったというものです。そして、いつか生で聞いてみたいという思いを長い間持っていました。それが、わずか5ユーロでこんなに簡単に聞けるとは・・・。さすがブリュッセルです。第4番、第6番、そして最後はここぞというときに披露する第3番。第4番の冒頭から、涙涙・・・。まさにこれだ。あの憧れのシギスのあの音だ!音楽に惹かれ、そして間近に弾いている姿を食い入るように見る。どうやったらあういう音色、表現が?今までシギスの生そのものはずいぶん聴いてきましたが、こんな感覚は初めて。もう思い残すことはないというほど。

ところで、会場の雰囲気は極めてアットホーム。開演前からおばさんたちが並んでおしゃべり。「Kuijken」ってどう発音するの?などといいながら会場係に教えてもらってみんなで発音練習。同じベルギー人でもどう発音するのかわからないなんて面白い。そして、シギスと共に奥さんのマリーンさんもチェンバロの譜めくり係として登場。すると、客席のおばあさんがものすごくうれしそうに「マリーン!」と叫び、それに彼女もにこっと応える。夫の演奏が終わると譜めくりでありながらお客さんよりも熱心な拍手。普段、クイケン・クワルテットで見るときとは違って楽しそう。シギスの地元に来たんだな、とつくづく感じました。お客さんには日本人も10人くらいいたでしょうか。みんな寺神戸さんと一緒に帰国しているせいか、知っている人はいませんでした。

憧れの夢の演奏会でしたが、その一方でとても気楽なコンサートでした。こういうコンサートが日本でもあったらな、とつくづく思いました。

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