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2004/05/28

小島芳子さん「お別れの会」(1)

小島さんのお父様。わざわざレスポンスしてくださいまして、ありがとうございました。

今日、フォルテピアノ奏者の小島芳子さんの「お別れの会」が執り行われました。開場前から長蛇の列で、結局、かなりの方が立ったまま3時間を過ごされました。それだけ小島さんの交友関係が広く、かつ慕われていたのだと思います。

「お別れ会」はいわば「音楽葬」ともいえるようなもので、鈴木雅明さんがオルガンコラールを演奏、寺神戸さん、若松さん、高田師匠、荒木さん、森田さん、鈴木秀美さん、西澤さんという超豪華メンバーがMozartのディヴェルティメントを演奏。弦楽合奏はとりわけ「おだやか」な演奏で、小島さんに「お疲れ様でした。ゆっくりおやすみなさい」とやさしく語りかけているようでした。ただ、単なる偶然かもしれませんが、私が献花するその時だけ、元気のいいAllegroでした。おだやかでゆったり、もいいですが、やはり、小島さんにはこういうのが似合う。もし、これがゆったりした曲だったら涙を抑えるのが大変だったかもしれませんが、元気な頃の小島さんを思い出せてよかった。しかし、鈴木秀美さんがバッハの無伴奏1番のプレリュードを弾き始めた時には、一気に目頭が熱くなってしまいました。明らかにいつもの演奏と違います。小島さんと音楽にすっかり身をゆだねたような静かな演奏。さすがに耐えられなかった。

さて、小島さんの2枚のCDが紹介されました。1枚は私のお気に入りのハイドン ピアノソナタ全集の中の小島さんが担当している曲。もう1枚は実はこれははじめて聴くのですが、Beethovenの悲愴。この演奏と、小島さんの現実を重ね合わせてしまった方も多いのでは。まるで、この日が来るのを予言しているかのように感じたのは私だけではないでしょう。「終わり」の瞬間が来た、という表現。どうしてこんな表現ができるのか・・・。

しばらく、「お別れの会」と小島さんの思い出を書いてみようと思います。

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コメント

芳子さんの中学の時の同窓生です。
実は去年の四月に20数年振りに同窓会が開かれそこでの久しぶりの再会でした。
あのタイミングで会が開かれたのを神様の導きでは、と思いました。
中学のときと変わりない笑顔で会い、
二ヶ月後の浜離宮朝日ホールでコンサートがある事などを聞き
活躍振りに驚いたのでした・・
しかし手術をした事など少しも感じさせず
周りの友達も気づかず・・知りませんでした。
この度の悲報にただただ驚きました。
コンサートに来れたら来てね・・・それが彼女と交わした最後の言葉だと思います。
そのコンサートに行けなかった事が心残りで仕方ありません。

昨日のお別れの会で芳子さんの演奏を聞きました。
目をつぶった芳子さんの写真が印象的。
闘病生活での彼女の気丈さに心が痛みました。

どうか安らかに
ご冥福を心よりお祈りいたします

5月28日

投稿: 伊藤聖子 | 2004/05/28 16:23

小島芳子の父です。
2003年4月の同窓会は手術後まもなくのときで,芳子は「ぜひ出なければならない」と言っていました。病気は直る,とまだ楽観的でしたが,この同窓会が皆様に会える最後になる可能性も同時に意識していたようです。

「お別れの会」への参加,ありがとうございました。担任の羽田野先生(ハタ坊?)も来て下さいましたね。
(AHさん,個人的にお礼を述べるのにこの場所を使わせてもらって,ごめんなさい)
「小島芳子のサイト」は
http://www.oshirase.com/yoshiko">http://www.oshirase.com/yoshiko
です。

投稿: 小島順 | 2004/05/29 06:14

 今回(2010/5/1)の初蛍会に卒業以来初めて参加して、芳子ちゃんを偲ぶサイトがあることを知りました。妹から芸大大学院の入試会場で試験官の芳子さんを見かけたこと、別の勉強会の場ではご主人に抱きかかえられるようにしてしたこと、音楽仲間を通して亡くなったことを知らされたことは聞いていました。
 遠方に住んでいる私は、放送大学のビデオ教材の中で演奏し解説する芳子ちゃんを亡くなった半年後に見つけて、心の中でお別れをしました。私が音楽専門家でもないのに、チェンバロに詳しいのは中学時代に芳子ちゃんから、色々とお話をしてもらっていたからです。踊れなくなった今、大学院でバレエの歴史を研究していています。宮廷舞踊について調べると必ず宮廷音楽・チェンバロの音楽にリンクします。芳子ちゃんとのおしゃべりが今の私の助けになっています。ありがたいことです。
 私がクラシカルジャズを好きなのも芳子ちゃんの影響です。カナダのバレエスクールでジャズバレエも違和感なくレッスン受けることができたのも、芳子ちゃんのお陰です。
 親友の葬儀に参列できなかったことを咎めないで下さいね。"Show must go on.”なのだから。                 Kanko

投稿: kanko | 2010/05/04 14:14

Kankoさま

コメントありがとうございました。

もう6年が過ぎようとしていますが、いまだに皆さんの心の中に彼女も、そして彼女の音楽も生き続けています。フォルテピアノでの古典派もお得意でしたが、ご主人のヴィオラ・ダ・ガンバと合わせてのフランス古典音楽もなかなかでした。宮廷バレエの伴奏などもかなりこなしていたはずです。

私は時々バレエを見ますが、そこかしこに昔の宮廷バレエ、さらにさかのぼった民族舞踏のあとを聞き取ることができますし、そうするとより一層見ていて楽しくなります。それにあった演奏をしてくれるオーケストラがなかなかないのが悩みですが・・・。

来月初めには、小島さんの師匠が再来日して、かつての小島さんの仲間たちと演奏会を開きます。再び「小島芳子さんを偲ぶ演奏会」になりそうです。

投稿: AH | 2010/05/12 22:58

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